ハリー・エドワーズ

2011年1月26日 (水)

スーパースター・ヒーラー ハリー・エドワーズ(2)

 前回に続いてハリー・エドワーズ『霊的治療の解明』(国書刊行会)から、エドワーズの考え方を紹介します。

 エドワーズは「第4章治療方法」で、次のように語ります。

 自己中心的であったり、利己的であったり自分のすることの利得ばかりを考える人が治療能力を持つことはほとんどありません。霊的治療家の背後にあって動機となる力はなんといっても愛と共感の力なのです。こういう人々は物質的報酬なしに与えようとします。かれらはそれを必要とする人に奉仕することを愛するのです。

 治療方法についての章で、テクニック的な話ではなく、いきなりこういう文章が出てくるところが素敵ですね。さすがシルバーバーチとも頻繁に語り合ってきたヒーラーという感じがします。

 治療家の身体は、他人の病の原因を取り除きうるような特別なものを何も持ってはいません。心の方にも、どうして治したらよいかについての知識はありません。学ぶべきテクニックは何もないのです。治療家はただの道具であるにすぎず、治療霊たちは、自分たちと同調する能力を持った治療者を治療の通路となるように用いるだけなのです。

 何千人も入る大きなホールを満杯にして公開ヒーリングをしていたスーパースターとは思えないような謙虚な説明ですね。さらにエドワーズは次のように続けます。

 儀式や儀礼や見栄えのする技法といったものは人々を信じさせます。またそれらを行なう人は心理的な効果をあげ、かつ治療しようとする意図もまじめであるかもしれません。しかしこのような振舞はなんの役にも立たないものなのです。こうした見かけだけの行為は、治療理論を学ぶうえで何の価値もありません。それはまともな努力の妨げになるだけです。

 エドワーズさん、気持ちよく言い切りましたね。私もそう思います。

 第6章では「霊的治療と教会」と題して、イエスがかつて示した治癒能力を現在のキリスト教会が失っていることを嘆き、今一度復活させることを訴えます。そして次のように述べます。

 霊的治療の行なわれる方法は、どれも同じ経過をたどって効果をあげるのだと仮定することが合理的でしょう。ローマ・カトリックやアングリカン・チャーチやクリスチャン・サイエンチストやスピリチュアリストなどのためにそれぞれ異なった治療法則があるなどとは考えられないことです。そして、スピリチュアリストの考え方に基づく治療に高い成功の確率が見られるということは、それが治癒の起こる正しい手段にもっとも近づいていることを意味するものです。

 いずれの治療についても肯定的に捉えていますが、説明原理としては、治療霊が関与しているというスピリチュアリズムの考え方が合理的ではないかと言っているわけですね。こういう姿勢にも共感できます。エドワーズは続けてこんな風にも言います。

 霊的治療は、神が人種や信仰信条に関係なくその民に与えた贈りものなのです。神は治療の法則として、スピリチュアリストにはこれこれ、イングランド・チャーチにはこれこれ、ローマ・カトリックにはこれこれというふうに、別々に与えているわけではありません。霊的治療は決してある宗教、ある特定の人の特権ではないのです。

 話は少しズレますが、私は高校時代に、友人に、ある手かざし療法を行う宗教団体に連れて行かれたことがあります。そこの団体の方は、自分たちの療法は神の力によるものだが、別の団体の手かざし療法は、ヘビの霊のような邪霊の仕業だという意見を述べておられました。霊的治療に低級霊が関与する場合というのもあり得るのでしょうが、自分たちは神の勢力、やつらは悪魔の勢力というような発想は、とても危険ですね。どんな高貴な人たちだって、ときには低級霊に翻弄されることだってあるのだし、みんなが同じ側にいると考えた方がいいと私は思います。エドワーズもきっと同じような考えではないかなあと感じました。ちなみにその友人は、自分の手かざしで人が癒されていくという体験にとても感動し、真摯にがんばっているように見えました。その後の消息は知らないのですが・・・。

 「第8章神の意図」は、こんな文章で始まります。

 ある不可知論者が私に言いました。「たしかに、あなたには病人を癒す力があることを認めます。しかし一個人の病を癒し、痛みや障害を取り去ることにどんな目的があるのですか?何百万人もの病人の中から一人だけよくなることに何か重要な意味でもあるんですか?」

 エドワーズの答えの一部はこうです。

 こうした不治の病が治ってしまうと-そうしたことがしばしば起こりますが-それはこの患者やまわりの人々に霊の働きを認めさせることになるのです。このことはこの世のものならぬ力と知性が働いたことを関係者一同に証拠立てます。霊の存在を証拠立てるこれらの事実の積み重ね-スピリチュアリズムを通しての-によって、この知性や力が、霊界において高い段階まで向上した個性ある霊からやってくるものであることが証明されるのです。

 霊の実在の証明・・・近代スピリチュアリズムや心霊研究の勃興期以来、ずっと一貫して流れているこのテーマが、ここでも生きているのですね。

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2011年1月23日 (日)

スーパースター・ヒーラー ハリー・エドワーズ(1)

 『シルバーバーチの霊訓』を読み始めたのは20年以上前のことなのですが、その中で、ときどき、知ってて当然という感じで出てくるハリー・エドワーズって何者なのか、さっぱりわかりませんでした。確か、あの世に行かれてからも登場されていたような気がします。

 ハリー・エドワーズ(1893-1976)が、魔法界におけるハリー・ポッターのごとく(名前が似てるのは偶然?)、イギリスで知らない人はいないぐらいの超有名スピリチュアル・ヒーラーだと知ったのは、ずっと後のことでした。

 イギリスでは、スピリチュアル・ヒーリングも保険の対象になると言われていますが、そこに至るまでに、ハリー・エドワーズの功績が大きな役割を果たしているのは、おそらく間違いないでしょう。

 日本語で読める彼の著書としては、梅原隆雅訳による『霊的治療の解明』(国書刊行会)がありますが、残念ながら絶版で、古本でもプレミアが付いてしまって、簡単には入手できません。先日、図書館で借りることができたので、早速読んでみました。ちなみに梅原隆雅さんとは、あのフレデリック・マイヤーズの『不滅への道』や『人間個性を超えて』を翻訳された梅原伸太郎さんと同一人物です。

 この本の「著者まえがき」がとても印象的です。少し引用します。

 この著がまさに印刷に付せられようとしている現在(いま)、霊的治療が医学界から認知されるという画期的進歩のニュースがやって参りました。
 1959年9月に一通の手紙が、英国霊的治療家連盟からロンドンの諸病院の当局者あて差し出されたのです。その手紙は、患者の要求があったときには、連盟から派遣される会員が病院を訪問し、病院の指示下、訪問した時点における通常の医学的判断に沿って霊的治療を受けられるよう許可を求めたものでした。また治療の方法は、治療祈念と「手を置くこと」によってなされることになっていました。
 11月30日までに、これらのうち22人の病院当局者がこの要請に許可を与えました。こうした結果、現在では200ほどのロンドンの病院が公式に霊的治療を受け入れているのです。保健省のあるスポークスマンは、この権利は牧師に与えられるのと同じ基盤で保証されるべきだと言いました。
 この前進的な運動の公式発表が最初になされたとき、英国医師会の一代表はこの計画への反対を表明しました。しかしその後、医師会は、治療家連盟の意図や病院を訪問する治療家によって遵守されるべき規則について詳しく知り、その結果、英国医師会の事務次長が、連盟の申し出は、かれらの懸念を鎮めたとの書簡を寄せてきました。そればかりか、彼は未だ協力していない病院に対しても連盟の要求を強めるようにとの、実際的な助言までも与えてよこしたのです。
(中略)
 かくして、史上初めて、医師団と霊的治療家の間にある種の協力ができるでありましょう。このことは計り知れない効果を持ちます。総合医学評議会の定めた医師が霊的治療家との協力を禁止する条項を修正する必要が生ずるでしょう。(原注:1977年、総合医学評議会は、医師が自分が必要だと考える医学的処置に責任を持ち続けるという条件で、英国霊的治療家連盟の会員である治療家の援助を求めることを奨めたり、同意したりしてもよい趣旨の声明を発表した。)
(以下略)

 まさに、スピリチュアル・ヒーリングと医学との協力関係が始まった歴史的瞬間ですね。きっとこの延長上に保険適用もあるのでしょう。

 『霊的治療の解明』を読み進んでいくと、エドワーズが、医師たちに対して、ヒーリングの現場でその効果を検証をするように繰り返し呼びかけてきたことがわかります。医師たちからの非難や反発に耐えながら、彼が実績を積み重ねていった結果、その努力が少しずつ実を結んでいったのでしょうね。

 エドワーズの尽力には本当に頭が下がります。

 次回は彼の考え方で印象に残ったところを紹介してみます。

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