フレデリック・マイヤーズ

2010年10月12日 (火)

こぼれ話~霊界通信の難しさ~マイヤーズ通信より

 フレデリック・マイヤーズ(1843-1901)は、イギリスの古典学者・詩人で、スピリチュアリズム草創期のSPR(心霊研究協会)を舞台に活躍した心霊研究者の一人です。そのマイヤーズが、死後およそ四半世紀が経った頃に、作家であり自動書記霊能者であるジェラルディーン・カミンズ女史(1890-1969)を通じて通信を送ってきたのです。それが硬派スピリチュアリスト(笑)の間で名高い『不滅への道』『人間個性を超えて』(梅原伸太郎訳)です。ちなみに近藤千雄訳では『永遠の大道』『個人的存在の彼方』となっていて、これは由緒ある浅野和三郎訳を踏襲しておられるようです。

 私は、この『不滅への道』を読んで、もちろん感銘を受けましたが、その主な内容(類魂説など)は、すでに近藤千雄さんの紹介から知っていたこともあり、何よりも印象的だったのは付録として付いていた「交差通信の記録」でした。

 この記録では、ギブズ女史(記録係)が、マイヤーズ霊に対して、別の霊媒であるオズボーン・レナード夫人を通じて通信を送ってくれるように依頼し、マイヤーズが承諾します(確か、ステイトン・モーゼスが同様のことをインペレーター霊に要求して、拒否されていましたね)。

 ギブズたちとマイヤーズが打合せをし、次の2つの文章をマイヤーズがレナード夫人を通じて伝えることを約束します。

第1の文「フレデリック・マイヤーズは、この女性(カミンズ)を通して文を書いた」

第2の文「フレデリック・マイヤーズは、生前、死後存続の問題はその結論において証明された、との確信を表明する本を書こうとしていた」

 その翌日、ギブズはレナード夫人の交霊会に参加しますが、終わりそうになってもマイヤーズからのメッセージは届きません。ギブズが、誰かいないかと問いかけ、「男の人で、かなりの重要人物」というヒントを出します。

 その後の交霊記録を抜粋してみます。フェダとはレナード夫人の支配霊です。

フェダ 若くはない、かなり年輩の男の人がここに来ています。(略)そしてここではなくて、ほかの所で通信しようとしました。ほかのどこかでです。この人はこうしたことにかなり興味を持っている人のようです。(略)

ギブズ その人はもっと近くに来れると思いますが。

フェダ 近づこうとしています。彼は何か書きものでもしたんですか?書きものというふうに感じます。(略)彼が書いたのは二種類の書きもので、テーマはほとんど別なようです。二つの全く違った書き方をしています。Mです。Mという大文字が見えます。彼は詩も好きだったんですか?(略)この人は古い詩が分かるような、かなり頭のよい人だったんですね-古典、特にヴェルギリウスを勉強した人です。何かあなたと約束をしていますね。

ギブズ 素晴らしい!

(略)

フェダ フレッド(フレデリックの略称)です!私は今、フレッドという名前を受け取っています。フレッドさんと関係ある何かです-オリバー・ロッジ卿のことを知っている頭の良い人。あなたが今日の会見を約束した人です。それは最近になってあなたに起こったことに違いありません。私はそれが起こったばかりのことのように感じられます。

(略)

 フェダはこのあと、ギブズとマイヤーズとの約束が前日だったこともずばり指摘します。そして、ギブズの念頭には全くなかった3日前のSPRの会合での出来事も見事に指摘します。しかし、マイヤーズが事前に約束した2つの文がそのままずばりと伝えられることはありませんでした。

 その2日後、マイヤーズがカミンズを通じて語りますが、ここで、マイヤーズは、「失敗であった」と詫び、ギブズが「大成功だった」と答えます。マイヤーズは、第一の文は伝達しえたが、第二の文は精確さが不足していたと振り返ります。(マイヤーズがここまで事態を把握していること自体が驚きなんですけどね!)

 霊の側であるマイヤーズから見たら、レナード夫人を通じての通信はどんな感じだったのでしょうか。興味深い個所を引用します。

マイヤーズ いや、私は何とか私の意を伝えようとしたし、また支配霊の注意を惹きつけようと努力もしたのだった。しかし、彼女はどうも、あまり活発すぎて、私に気がついてからも、私が伝えようとする真意を摑めなかったようだ。彼女がはっきり何かを言うと、今度は私の方がついていけなかった。地上に合わせようとすると、私の知覚の働きは鈍くなってしまう・・・・・・。私はまるで、機械がゴウゴウ唸っている工場にいるような気がしたものだ。必死に精神集中することで、ようやく、私の考えの幾分かを伝えることができる状態だった。私のそばで多くの霊の想念が飛び交っていたが、フェダはその中の二つ三つを選んで伝えるだけだった。

 いやあ、本当に、霊界通信っていうのは、微妙で複雑で大変なものなんですね!
 私も、身近でミディアムの方々と接したり、実習めいたことを体験する中で、こういう微妙さ、複雑さは実感としてよくわかります。

 私たちが霊界通信というものに対して、どういう姿勢で接するべきかということを、この交差通信記録が雄弁に物語ってくれているような気がしたので、紹介してみました。

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