マザーテレサ

2010年5月 3日 (月)

こぼれ話~「逆説の10カ条」

『逆説の10カ条 』 
The Paradoxical Commandments
 
1. 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
  それでもなお、人を愛しなさい。
  People are illogical, unreasonable, and self-centred.
  Love them anyway.

2. あなたがなにか良いことをすれば、
  人は隠された利己的な動機があるはずだと責めるかもしれない。
  それでもなお、良いことをしなさい。
  If you do good, people may accuse you of selfish ulterior motives.
  Do good anyway.

3. 成功すれば、うその友達と本物の敵を得ることになる。
  それでもなお、成功しなさい。
  If you are successful, you will win false friends and true enemies.
  Succeed anyway.

4. 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。
  The good you do today will be forgotten tomorrow.
  Do good anyway.

5. 正直で率直なあり方は、あなたを無防備ににするだろう。
  それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。
  Honesty and frankness make you vulnerable.
  Be honest and frank anyway.
  
6. 最大の考えをもった最も大きな男女は、
  最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。
  それでもなお、大きな考えを持ちなさい。
  The biggest men and women with the biggest ideas can be shot down
  by the smallest men and women with the smallest minds.
  Think big anyway.

7. 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後ろにしかついていかない。
  それでもなお、弱者のために戦いなさい。
  People favour underdogs but follow only top dogs.
  Fight for a few underdogs anyway.

8. 何年もかけて築いたものが、一夜にして崩れさるかもしれない。
  それでもなお、築きあげなさい。
  What you spend years building someone could destroy overnight.
  Build anyway.
 
9. 人が本当に助けを必要としていても、
  実際に助けの手を差し伸べると 攻撃されるかもしれない。
  それでもなお、人を助けなさい。
  People really need help but may attack you if you do help them.
  Help people anyway.

10. 世界のために最善を尽くしても、
  その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
  それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。
  Give the world the best you have and you'll get kicked in the teeth.
  Give the world the best you've got anyway.

 とてもすばらしくて、力強い言葉ですね。私は、あるサイトから「マザー・テレサの祈り」として教えられました。確かに、そうだと納得してしまうぐらいに気高い精神に溢れているように思います。

 実はこの10カ条は、ケント・M・キースさんというアメリカの方が、19歳のときに高校生たちのために書いた小冊子の一部だったそうです。1968年のことだそうです。それが何十年の歳月を経て、著者の知らないところで広まり、マザー・テレサがカルカッタで運営していた「孤児の家」の壁にも書かれるようになり、いつしか「マザー・テレサの祈り」と信じられるようになったようです。

 私は、ブログで評論家のように偉そうに文章を書く中で、正直に言って、自分が何ほどかの者であるかのような錯覚に陥ることもあります。しかし、実際の家庭で、職場で、社会生活で、そんな錯覚とは程遠い自分がいます。そして落ち込みます。

 しかし、この「逆説の10カ条」は、「それでも」と強く訴えかけてきます。この言葉が多くの人たちに感動を与えているのは、やはりみんな同じように、いろんな思いを抱えながら、「それでも」という訴えに勇気づけられ、元気づけられているのでしょうね。

 そして、きっとあのマザー・テレサやその仲間のシスターたちも、同じようにこの言葉に感動し、自分たちの「孤児の家」の壁に書きこんだのだと思います。

 私もまた、この言葉をかみしめながら、明日からの人生に再チャレンジしていきたいと思います。

(参考文献:ケント・M・キース著『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』)

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2010年3月30日 (火)

ベーシックインカムという夢~貧困と格差とスピリチュアリズム

  ベーシックインカムという構想がある。政府がすべての人に無条件で一定の基本所得を保障するというもので、200年以上前から提唱されてきたとも言われている。それが、貧困や失業が深刻化してきた現代日本において、最近急速に関心が高まっている。働いている人にも働いていない人にも、収入が多い人にも少ない人にも、老若男女を問わず、すべての人に一律に無条件に最低限の生活を支える所得が支給されるという。日本では、例えば毎月ひとり当たり5万~8万円が支給されるという試算もある。

 より具体的な内容や浮かんでくる様々な疑問や批判に対する回答は、専門のサイトや本に任せるとして、私はこの制度は様々な可能性を秘めた魅力的なものだと思う。また、この構想をめぐって面白いのは、貧困や格差に立ち向かう社会運動系の人たちからベンチャー系の起業家に至るまで幅広い人たちが支持を表明していることだ。テーラワーダ仏教系の人たちやスピリチュアリストたちの中にも積極的に賛成している人たちがいる。実は私自身も「悠々塾」というスピリチュアリズムを学ぶまじめな集まりの人たちから教えられて初めて知った。

 宗教やスピリチュアリズムにかかわる人たちは、社会の格差や貧困の問題にどのようにかかわるべきだろうか。この問いに対して、ひとつの正解があるなんてもちろん思っていない。ただ、大雑把には次のような3つの態度があるように思う。

1 個人の心の問題にのみ集中し、社会的問題にはかかわらない
2 慈善事業や慈善行為というレベルでかかわる
3 制度や社会の変革レベルの問題にまでかかわる

 このうち慈善行為にかかわる宗教者はよく見聞する。そして「慈善は解決にならない」という言葉もこれまでよく耳にしてきた。これは、「慈善の対象となる人の自助・自立を阻害する」という立場と「慈善では社会の不公正な構造そのものは変わらず根本的な解決にならない」という立場の両方からの批判だと思う。もっともな批判だとは思うけれど、貧困問題などに見向きもしない宗教者やスピリチュアリストが多数いることを考えると、慈善にかかわるだけでも立派なものだと私は思う。(蛇足ながら、自殺した友人が、日雇い労働者のための活動に関わっていたとき、「キリスト教系の人たちは頑張っているんだけれど、行政と対決するような場面では消極的だ」と嘆いていたのを思い出します。)

 自戒を込めて言うと、実は上のように立場を分類して、どちらがどうと言うのは、机上の空論が好きな頭でっかちの人が陥りがちな落とし穴なのだと思う。実際にはそれぞれのおかれた立場や環境、能力に応じて、できることをやっていくしかない。

 マザーテレサが1979年にノーベル平和賞を受賞した後、来日したことがある。私は高校生だった。日本の記者が「貧困の解決には社会改革が必要では」と問いかけたとき、彼女は次のように答えた。

 あるとき、裕福な人が私にいいました「なぜあなたは、貧しい人びとに魚を与えるのですか?その魚を捕る竿を、どうして与えないのですか?」と。
 そこで私は答えました、「この人びとは病気、飢え、疾患などをかかえていて、立つことすらできないのです。ですから私は、まず、食べることができる魚を与えています。自分で立てるようになったら、今度はみなさま方にお願いします。魚を捕ることができるように、その人びとに竿を渡してあげてください」と。

 実際に貧しい人たちと日々向き合っている、実践者ならではの答えだと思う。高校生のときに読んで感銘を受けて、いまだに印象に残っている。(そのやり取りが載っている本を実家から見つけ出してきました-講談社現代新書『生命あるすべてのものに』。ちなみに今年はマザーテレサ生誕100年だそうですね。)

 話は変わって、聖書をほとんど読んだことがない私だが、田川建三さんという異色の聖書学者の本を読んでイエスによる面白いたとえ話があるのを知った。

 ある地主が早朝に自分の葡萄畑のために1日1デナリの約束で労働者を雇った。その後、午前中や昼や夕方にも仕事にあぶれて立っている者がいたので次々と雇った。そしてその日の終わりに、すべての労働者に1デナリずつ賃金を払った。最初の労働者は不平を言ったが、地主は「最後に来た人にもお前と同じだけ払ってやりたいのだ」と答えたという。(マタイによる福音書20.1-15)

 この話の解釈はいろいろあると思う。ちなみに田川さんの教え子の大学生に感想を求めたら「不公平で納得いかない」という意見が多かったと言う。

 私は、このたとえ話を熱く語っているイエスの前に進み出て、実はあなた方の時代からは想像もつかないような豊かな社会になっている21世紀の日本というところで、それでもなお貧困や失業が世に溢れていて(こう言った時点で「信じられない!」と言われるかもしれない)、その解決策のひとつとしてベーシックインカムという構想があるのですが、いかがですかと尋ねてみたい気がする。

 もちろんイエスがベーシックインカムのことを語っていたなどというつもりはないけれど、このたとえ話に流れる精神とベーシックインカム構想とは見事につながっているように思う。イエスは力強く「賛成!」と言ってくれるような気がするのだが・・・。

(参考サイト)
ベーシックインカムええじゃないか
http://bieejyanaika.web.fc2.com/index.html

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