« 上祐史浩著『オウム事件17年目の告白』を読んで~善悪二元論を超えて | トップページ | 自ら死を選んだ魂について(2)~友の場合 »

2013年6月13日 (木)

自ら死を選んだ魂について(1)

 自殺・自死について書きます(近年は自殺に代わって自死という表現もよく使われます)。

 最近、自ら死を選んだ魂は救われないのだろうかという問いを受けました。
 私の端的な答えは「そんなはずはない」ですが、もう少し丁寧に書いてみたいと思います。

 自殺した魂は救われないとか、地獄に落ちるという説をあちこちで聞きます。もちろん自殺はすべきではないし、身近に自殺を考えている人がいたら、何とかして防ぎたいと考えます。以前書いたように、私の友人は長い間、自殺企図をもっていて、何とかしたいと思いましたが、ついに防ぐことができませんでした。そしてその後、周囲に本当に大変な苦しみや悲しみを生み出してしまいました。

 しかしそのことと、魂が救われるかどうかは別問題です。

 以前「仏教と自殺~『ルポ 仏教、貧困・自殺に挑む』を読んで」という記事を書きました。その中で仏教教団が仏典からブッダの自殺観を調べたという話を紹介しました。その結論は「釈尊は自殺について価値判断をしていない」というものでした。決して自殺を容認しているわけではなく、「仏典は、ぎりぎりのところまで「生きろ!」と呼びかける一方で、自殺という行為そのものについては、良いとも悪いとも語っていない」というのです。

 自殺問題に取り組むNPOライフリンク代表の清水康之さんはこうした取組みに一定の評価をしていました。彼の発言を改めて引用します。

 「社会問題となっているのは、ほんとうは生きたいのに追いつめられた結果としての自殺です。それを悪や罪としか語れない思想は貧弱。どれほど多くの遺族らが傷つけられたでしょうか。仏教もキリスト教も取り返しのつかないことをしてきたわけです。信頼回復は簡単ではありませんが、原点に返り、現実的な姿勢を取りはじめたのは心強い。弱い立場の人間に寄り添い、声なき声に耳を傾ける。宗教界がそうした本来の役割を果たすため、どう踏み出していくのか見つめたいです」

 では、スピリチュアリズムはどうでしょう? やはり同じように悪や罪と語ることが多いように思います。

 私が強烈に印象に残っているのは、高橋信次さんの説明です。高橋さんは、新宗教の巨人と呼ばれ、後の多くの新宗教にも影響を与えた方です。高橋さんの死後、彼の作った教団や後継の人たちには様々な混乱もあったようですが、彼の卓抜した霊能力については立場を超えて多くの人たちが証言しています。私は高校時代に高橋さんの著書からスピリチュアリズム的な考え方をはじめて知り、その後、シルバーバーチに出会いました。著書から推測するだけですが、人格的にもすぐれた方だと感じていました。

 彼の著書の自殺に関するくだりを改めて読んでみました。

 「自殺は調和という神の目的から、大きくはずれた行為であり、神にたいする冒涜、反逆であって、人間否定を意味します。ですから悪のうちでも、自殺は最悪の部類にはいります。」「自殺者の死後の世界は暗黒地獄です。一寸先分らぬ真暗な穴倉のようなところに閉じ込められての苦しみの連続です。鼓膜が破裂しそうな轟音が鳴り響くところとか、得体の知れぬ生物が意識のなかに入り込んでかきむしるのです。」(高橋信次著『心の対話』)

 強烈でしょう?
 でも、よく読むと、高橋さんも一方的には決めつけていません。一定の留保をつけています。

 「自殺も、さまざまな内容を伴い、各種にわかれています。戦争という異常事態における自殺(たとえば特攻隊)もあれば、・・・・たとえば家族の迷惑を考え、ひと思いに生命を絶っていく療養生活の長い老人。形はどうあれ、いちばん問題なのは、本人のその時の想念のあり方にありますが、」(同書)

 しかし、人はたいていこういう留保には気づかず、上の強烈な部分ばかりが記憶に残るものです。いや、私がそうでした(苦笑)。

 最近の自称スピリチュアルカウンセラーの中には、友人が自殺してもう少しで大変な地獄に落ちるところを私が救いだしたというような話をしている方もいます。

 果たして、どうなのでしょう? 自殺・自死した魂は地獄行きなのでしょうか?

 そんなことはないと私は思います。そもそも地獄という世界の存在に対しても私は懐疑的です。

 次回は、私の友人をめぐるささやかな経験から考えてみたいと思います。

|

« 上祐史浩著『オウム事件17年目の告白』を読んで~善悪二元論を超えて | トップページ | 自ら死を選んだ魂について(2)~友の場合 »

友人の自殺」カテゴリの記事

コメント

初めまして。
私の娘が3か月前に自分のアパートで自殺をしてしまいました。
22歳でした。
自死する前日の夜に私の喉に違和感があり唾をのむ時にシコリのような物を感じながら仕事をしておりました。
母(娘の祖母)は、やはり死ぬ前日にタイマーも無いラジオが大音量で点いてとても嫌な感じがしたそうです。
そして娘の死の知らせは次の日の昼前に聞きました。
死亡推定時刻は首の違和感やラジオの音の次の日の21時頃でした。
後から解ったののですが娘はかなり重症な鬱で死後の娘のスマホを見ますと自分の知らない内に首吊のロープをかけて、我に返った時驚いたと言う内容をツイッターでつぶやいてましたので発作的に首を吊ったのかと思いましたが、亡くなる数分前のツイッターには「この世の未練を断ち切ろう」との内容だったので覚悟の自殺だったと思います。
それと遺書が仲の良い友人に宛てたものと身内にもしっかりした文字で書かれておりました。
内容は、この世は幸せだったが将来を考えると不安なのと病気の辛さ、怖さ、痛さに耐えられないのと、死ぬのが夢であったのと、皆への感謝と懺悔の言葉がびっしり書かれていました。
娘はとにかく自分のことより人のことを優先して考える人なので沢山の友達がおり お通夜の席でもそれがよくわかりました。
自分の貯金まで困った友人に何十万も貸していたようで通帳の残高はわずか2万円程でした。
親の私にとっても娘はかけがえのない存在で生きていてくれるだけで頑張れました。
最愛なる娘の数々の危機サインがあったにもかかわらず救えなかったことと鬱から来ていた態度だとも知らずに追い打ちをかけるように叱ってしまったこと・・・悔やんでも悔やみきれません。
自死した魂の供養は残された者の気持ちを安定させて安心させてあげることだと知りましたが涙が出て悲しくて辛くてたまりません・・・。
せめて娘の今の状態が知りたいのです。

どうか何でもお伝えしますので娘の魂の状態を教えていただけないでしょうか・・・・。
宜しくお願いいたします。
typhoontyphoon(。>0<。)

投稿: 小枝 | 2017年11月26日 (日) 17時20分

とてもお辛い状況の中、ようこそお越しくださいました。4年以上も前に書いた記事をお読みいただきありがたく思います。私は友人を自死で失いましたが、娘さんを亡くされた悲しみと苦しみは、それとは比べものにならないのではないかと思います。

娘さんの魂の状態をお尋ねですが、残念ながら私はミディアムではないので、それをお伝えする能力がありません。「自ら死を選んだ魂について(2)」で書きましたように、私は何人かのミディアムの方の力を借りました。

ただ、ミディアムが必ず的確で正しい情報をくださるとは限りません。ミディアムとの相性とか、こちらの霊的真理の理解度とか、いろんな条件に影響を受けるように思いました。そういう意味では、ミディアムもひとつの参考という程度に考えられた方がいいと思います。

娘さんも、きっと私の友人と同じように、自ら反省もし、様々な存在に導かれたり助けられたりしながら成長されているのではないでしょうか。両親や友人を失った後に、あくせくとミディアム巡りをしていた私が言うのも変ですが、シルバーバーチの霊訓などのスピリチュアリズムの良書を読まれて、自分なりに感じたり想像したりする娘さんこそ、一番真実に近い姿なのだろうと思います。

そういう前提のうえで、私自身がお世話になってきた団体などのミディアムと対話されるのも一つの方法かと思います。十分なお力になれず申し訳ありません。

投稿: GlassAge | 2017年12月 9日 (土) 21時08分

お忙しい中お返事ありがとうございます。

>娘さんの魂の状態をお尋ねですが、残念ながら私はミディアムではないので、それをお伝えする能力がありません。
いえいえ かえって勘違いしてしまい申し訳ないです。 
私は娘を亡くしてからネットで毎日毎日娘の今をわかる方を探し回りましたが何だか本気にはなれず現在に至っていますが 本物のミディアムの方ってお金儲けをせず、ひっそりと暮らしていらっしゃると聞きます。
その方と巡り合う時は娘が何かを訴えたい時に自然に巡り合うように感じていました。
そんな事が今日ありました!! ミディアムではなく長女からなのですが。
今日の朝長女から久しぶりにメールがありました。
内容は自死した妹が夢に出て来て「なんか歌いたい!!」と言い出しYUIさんのgood-byedaysと言う曲の替え歌で妹が「一人じゃなくて一緒にいてくれる人がたくさんいるから安心してね」と言う歌声で朝目が覚めたとのことです。
それを聞いて私も涙が止まりませんでした。
日に日に私の落ち込み度がひどくなり、友人の励ましにも傷付き、仕事の失敗も多くなり、仕事帰りの車の中で大泣きし、生きて行く希望も持てずにいたので、それをあの世で見かねた娘が長女の夢に出て来てくれたのかも知れません。
やっと自分が霊界にいることを悟り同じ性質の魂の集まる場所に行けたのだと信じたいです。
自死した魂は、なかなか闇から抜けだせないと見聞きするので、もしこの夢が霊夢であるなら私は本当に救われます。

>娘さんも、きっと私の友人と同じように、自ら反省もし、様々な存在に導かれたり助けられたりしながら成長されているのではないでしょうか。

絶対そうですね。

いつかまた今の娘の状況を夢で知らせてくれることを願っています。

なんだか自分のことばかりの話題になってしまい申し訳ないです。

投稿: 小枝 | 2017年12月12日 (火) 21時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/544086/57586901

この記事へのトラックバック一覧です: 自ら死を選んだ魂について(1):

« 上祐史浩著『オウム事件17年目の告白』を読んで~善悪二元論を超えて | トップページ | 自ら死を選んだ魂について(2)~友の場合 »