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2012年10月31日 (水)

超心理学1~かたくなな否定論者

 久しぶりにむさぼるように読んでしまう本に出会いました。石川幹人著『超心理学-封印された超常現象の科学』です。続けてステイシー・ホーン著『超常現象を科学にした男-J.B.ラインの挑戦』も読んでいます。こちらも面白いです。

 スピリチュアリズムと同時進行で発展した心霊研究、そしてその心霊研究から分化発展したのが超心理学というところでしょうか。残念ながら心霊研究とスピリチュアリズムはかなり早い段階で袂を分かってしまったように見えます。さらに超心理学になるとその距離が広がっていったようです。そのせいか、スピリチュアリズム側からは、心霊研究や超心理学に対して、非難がましい意見を聞くことも多いです。

 しかし、私は、彼らは感動するほどに誠実に懸命に科学的に研究をしてきた人たちだと思います。霊魂説や死後存続説とは一線を画そうとする姿勢が、スピリチュアリズム側から見れば受け入れられないのかもしれませんが、よくよく主張を読むと、霊魂説を決して否定しているのではなく、より科学的に検証可能な領域で勝負しようと苦心している様子がひしひしと伝わってきます。

 そして、それでも彼らは、一般の科学者からは白眼視され、ほとんど迫害に近いような仕打ちを受けています。その構図は19世紀に発展した心霊研究の時代から全く変わっていないように思います。

 著者の石川幹人さんは、工学博士で、明治大学情報コミュニケーション学部の学部長という地位にある方です。しかし、超心理学研究でその地位にいるはずもなく、超心理学は全くの手弁当でライフワークとして取り組んでおられるようです。本当に頭が下がります。

 石川さんは、もちろん超常現象の安易な信奉者のことは批判されていますが、それ以上に、研究の発展を阻害している存在として、懐疑論者を装った「かたくなな否定論者」をあげておられます。それは次のような誤った認識のうち、ひとつまたは複数をもっている者だそうです。

1 超心理学者はずさんな研究をしている
2 超心理学者はかたくなな肯定論者である
3 自然科学を基礎づける、現在の物理学の描く世界観は絶対に正しい

 うーん、確かにこういう人たちがいますね。昔も今も・・・。
 より具体的な説明は、是非、本書をお読みください。

 これに関連して、本書に、かの有名な天文学者カール・セーガン博士の言葉が引用されています。ちなみにカール・セーガン博士は懐疑論者です。

 「たしかに懐疑主義者はときどき高飛車になって、人を見下したような態度をとることがある。そういうケースは私も見聞きしているし、それどころか、今にして思えば我ながら愕然とするのだが、私自身ずいぶん不愉快な口のきき方をしたこともある。この問題は、どちらの側から見ても、人間の未熟さがほの見えてくるのだ。・・・熱心な懐疑主義者のなかには、この道具(科学的懐疑)を磨き上げずに、なまくらのまま使う連中がいるのだ。その結果、ともすれば「はじめに懐疑的な結論ありき」ということになる。証拠を調べたあとではなく、はじめから問題に取り合わないのだ。」

 「高飛車になって、人を見下したような態度」を取られるという経験は、スピリチュアリストや心霊研究者や超心理学者は嫌というほどしていると思うので、ありがたいお言葉ですよね。こういう誠実な文章というのは、立場の違いを超えて気持ちがいいものです。そして、超心理学をめぐっては、そういう誠実な人たちの苦闘のドラマが過去から現在にわたって続いているのだということを、本書を通じて知ることができました。

 少し得をした気分です。

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