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2010年9月 1日 (水)

こぼれ話~霊に関する迷信~アラン・カルデック『霊媒の書』より

 19世紀フランスの思想家アラン・カルデック(1804-1869)は、スピリティズム(実質的にはスピリチュアリズムと同じ)の生みの親と言われています。彼は、様々な霊媒を通じて現れる霊に対して多くの質問を投げかけ、それを体系的に整理して『霊媒の書』や『霊の書』などをまとめていきました。(スピリティズムはその後ブラジルで大きく発展していると言われています)

 イギリスでのシルバーバーチやインペレーターからの通信と異なり、特定の霊媒や霊に限定せず、また、カルデック自身は霊媒ではなく徹底的に審神者(さにわ)的立場に立っているのが特徴的です。そして英語版から翻訳した近藤千雄さんも書かれていましたが、霊の側が、カルデックのときに執拗な質問に対して、にべもないような答え方をしているのも特徴的です。それは小気味いいぐらいです。

 しかし内容的には、シルバーバーチやインペレーターの言っていることとそっくりなのも印象的です。何かこの時代に霊界の側が、欧米社会に照準を合わせて、徹底的に同じメッセージを寄せて、スピリチュアリズムの興隆を図ったような気がしてなりません。

 私は、はじめてスピリチュアリズムの考え方に触れた10代のとき、霊に対する合理的な考え方に感動を覚えました。それ以来、霊を何か怖くておどろおどろしいものと考えることはなくなり、不気味な場所だろうと、深夜の墓場だろうと、別に怖くもなんともなくなったのを覚えています。(好んで深夜の墓場には行きませんが・・・)

 『霊媒の書』を読んでいると、霊に対する人間社会の迷信についてのきっぱりした答えが載っていて、10代の頃に感動した思い出が甦ってきましたので、少し紹介してみます。(すでにスピリチュアリズムを学んでいる人には蛇足かもしれませんが)

アラン・カルデック編近藤千雄訳『霊媒の書』九章より

――霊は廃墟のような場所を好むという言い伝えがありますが、これには何か根拠があるのでしょうか。

「ありません。そういう場所へ行くことはありますが、特にそういう場所を好むからではありません。どこへでも赴きます。そういう言い伝えが生じたのは、廃墟のような場所に漂う哀愁や悲壮感が人間の想像力をかき立てて、霊がさまよっているかに感じるからでしょう。
 人間の恐怖心は木の陰を幽霊と思わせ、動物の鳴き声や風の音を幽霊のうめき声と思わせることがよくあるではありませんか。霊はどちらかといえば寂しい場所よりも賑(にぎ)やかな場所の方を好みます」

――霊は夜に出やすいという信仰はどこから来たのでしょうか。

「暗さと静けさから受ける印象が想像力に作用して生まれています。そうした概念はすべて迷信であり、合理性を旗印とするスピリチュアリズムが撲滅して行かないといけません。真夜中(丑三つ時)の怖さはお化け話の中にしか存在しません」

――自分の遺体が埋葬されている場所へは行きたがるものでしょうか。

「身体は言わば衣服にすぎなかったわけで、その身体に宿っていたがゆえに苦しい目に遭わされたのですから、それを脱ぎ捨てた後はもう未練はありません。クサリにつながれていた囚人は、解き放たれた後、そのクサリに未練など持たないのと同じです。心に残るのは自分に愛の心を向けてくれた人々の記憶だけです」

――埋葬された墓地で祈ってもらうと特別に感じられるものでしょうか。家庭や教会での祈りよりも霊には届きやすいでしょうか。

「ご存じのように、祈りは霊を引き寄せるための魂の行為です。それに熱意がこもり真摯さが強いほど、その影響力は大きくなります。ですから、聖なる葬儀の行われた墓地での祈りは格別の思いを集中しやすいでしょうし、一方、墓石に刻まれた文字を見て故人への情愛を感じやすいという点でも、故人の遺品と同じように、墓地には祈りの気持を高めるものがあることは事実です。
 ですが、そうした条件下にあっても、霊に祈りを通じさせるのは“思念”であり、物的な遺品ではありません。物的なものは祈る側の人間にとって意念を集中させる上で影響力をもつだけで、霊そのものには大して影響はありません」

――人間がそういう場所を恐れるのは理に適っているでしょうか。

「いいえ。そういう場所に出没して何かと話題のタネをまくような霊は、とくに邪悪な意図があるわけではなく、騙されやすい人間や恐がり屋を相手にして面白がっているだけです。
 それに、霊はいたる所にいることを忘れてはいけません。どこに居ようと、どんなに静寂な場所であろうと、あなた方の周りには常に霊がいるものと思ってください。霊が出没して騒がれる場所というのは、出現してイタズラをするのに必要な条件が整う場所にかぎられています」

――そういう霊を追い払う方法がありますか。

「あります。古来その目的で人間がやってきたことは、追い払うより、ますます付け上がらせる結果となっています。
 一ばん賢明な方法は、善良な霊に来てもらえるように、人間側が善行に励むことです。そうすれば、そういう低級霊も退散して、二度と来なくなります。善と悪とは相容れないものだからです。心掛けの問題です。善良な心掛けの漂う場所には善良な霊しか来ません」

――いわゆる“悪魔払い(エクソシズム)”の儀式でそういう邪霊は追い払えるでしょうか。

「エクソシズムが成功した話をどれくらいお聞きでしょうか。大ていはますます騒ぎが大きくなってはいませんか。イタズラ霊というのは自分が悪魔扱いにされるのを面白がるものです。
 もちろん悪意を持たない霊でも姿を見せたり音を出したりして存在を知らしめようとすることがあります。が、そういう場合の音が人間に迷惑を及ぼすほどになることはありません。死後迷っている霊かも知れません。そうであれば祈りによって救ってあげるべきでしょう。時には親しい間柄の霊が存在を示そうとしている場合もあります。ただのイタズラ霊の場合もあるでしょう。
 迷惑を及ぼすような場合は間違いなく低級霊で、することがなくてそうやって遊んでいるだけです。そういう場合は一笑に付して無視することです。何をやっても人間が恐がりもせず大騒ぎもしなくなると、バカバカしくなって止めるでしょう」

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コメント

カルデックの本は、とくに「幸福の科学出版」から出ているのを
読むと、私はもしかして霊界で、こんなに苦しむほうの生き方を
しているのではないだろうか、などとなんだか自分を験されている
ようで、不安になってくることがありませんか?

投稿: JIJIRO | 2010年9月 2日 (木) 09時09分

JIJIROさん、いらっしゃいませ。

幸福の科学出版の『天国と地獄』シリーズですね。
結論から言うと、実は、まだ読んでいないので何とも言えません(笑)。

カルデックの本で私が読んだのは、近藤千雄さん訳の『霊の書』『霊媒の書』(心の道場)と角智織さん訳の『スピリティズムによる福音』(幻冬舎ルネッサンス)ぐらいです。

ただ、私は10代の頃(の話ばかりで恐縮ですが)に、地獄とは神が作ったものでも、閻魔大王によって行かされるところでもなく、自らが好んでいくところ、作り出すところだというスピリチュアリズムの考え方を聞いて、なるほどと感心した覚えがあります。

つまり、その魂にとってふさわしいところ(他者から見たら地獄みたいなところであっても、当の魂にとっては心地よいところ)に行くだけであって、決して嫌なところに無理やり放り込まれるわけではないので、事前に不安や恐怖を感じる必要は全くないわけです。

カルデックがどんな地獄像を描いていたのかは知りませんが、基本的な考え方は同じではないかと思います(一度、読んでみます)。

投稿: Glass Age | 2010年9月 2日 (木) 22時11分

コメントありがとうございます。
なにしろ出版社が出版社なので、どうしても身構えてしまう人が多い
だろうとは思いますが、内容はとても興味深いものがありますので
私はお薦めいたします。

「霊の書」など、心の道場さんで公開されているものに関しては
私は今まで購入をさせてもらった何冊かに加えて、いつでも傍らに
おいて読んでみたいという気持ちから、とうとう「kindle」の
最新バージョンを購入してしまいました\(^O^)/

製品が注文に追い付かないらしくて発送はもう少し待って欲しい
との連絡がありましたが(一緒に注文したケースだけは送った
とのメールも今日ありました(^^))待ちきれないので、心の道場
さんのデータを「kindle」で読めるフォーマットに一つずつ変換
をしております。

もしGlass Ageさんが kindle をお持ちでしたら、データを共有
できると思います。
これでいつでもシルバーバーチさんと対話ができる環境が整う
ということになりそうです。

投稿: JIJIRO | 2010年9月 2日 (木) 22時36分

JIJIROさん、こんばんは。

>もしGlass Ageさんが kindle をお持ちでしたら、データを共有できると思います。

ありがとうございます。
しかし、私はそんなハイカラな(?)ものは持ってません(笑)。

投稿: Glass Age | 2010年9月 3日 (金) 23時01分

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